【ジュニアユース年代(U-14)の特徴】

ジュニアユース年代(U-14)の特徴

この年代の特徴は、まず第1に身長に急激な伸びがみられます。 年間十数センチ伸びることも珍しくありません。さらに骨そのものがまだ柔らかいことがわかります。柔らかい骨は骨折もしやすいの で、この時期には必要以上に負荷をかけ過ぎたり、衝撃の大きなジ ャンプ動作を何回も繰り返すようなフィジカルトレーニングは避け るか、あるいは回数を制限しなければいけません。

 

また骨の急激な伸びに対して、筋肉の伸びが追いつかないのもこ の年代の特徴です。骨の伸びが筋肉の伸びより早いので、筋肉は常に緊張した状態になります。筋肉が過度に緊張した状態のまま強度 の高いトレーニングを行うと、さらに筋肉の緊張度が増してしまい ます。その結果、筋肉と骨を結び付けている腱や、その骨の付着部 に強いストレスがかかってしまうのです。ですから、練習やトレー ニングの際には急激に運動をはじめずに、その前後に必ずストレッ チングを行い、しっかりと筋肉を伸ばし、ほぐしておくことが大切 です。 

 

加えて身長の伸びによって感覚のズが生じます。”ひょろっ” とした体型になり、動きが鈍くなったり動きがぎこちなくなってし まうと同時に、それまでできていた動作も一時的にできなくなって しまったりするのもこの時期特有の現象です。ただし、この現象そ のものに対しては悲観する必要はまったくなく、神経系のトレーニ ングをしっかりと継続していけば、神経系が再構築されていずれぎ こちなさはなくなります。

 

さらに、身長もさることながらあらゆる面で、成長の度合いが個 人によってまったく異なることです。同じ年齢でも早熟な選手と晩 熟な選手がおり、成長段階にかなりの差があるといえます。ですか ら、個人によってトレーニングの強度や量をある程度加減して行わ なければなりません。

 

そして最後に、身長の伸びだけではなく、男の子は男性らしく、 女の子は女性らしく、子どもから大人へと体格や体型が急速な変化 を遂げる時期でもあります。このようにあらゆる変化があまりにも 急速なため、身体的にも非常にアンバランスになりがちなのと同時 に、自我の目覚めなど知的側面の発達も著しく精神的にも不安定に なりがちです。そのため、この年代のトレーニングを考えるのは非 常に難しいといえますが、大切なのは選手個人に目を向けて、それ ぞれの選手の発育段階に合ったトレーニングをプランすることです。 

 

 

 

菅野淳(JFAフィジカルフィットネスプロジェクト) 

 

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